台所と庭でひらく小さな実験室子どもと一緒に、身の回りのものでできる科学の遊びを書き残しています

重曹とお酢の実験を、観察の練習に変える

重曹とお酢を混ぜると泡が出る実験は、子どもに人気があります。泡が出て「すごい」で終わることが多いのですが、少し工夫すると、観察や比較の練習になります。

用意するもの

  • 重曹(小さじ数杯)
  • お酢
  • 透明なコップを数個
  • 小さじとスプーン
  • 大きめのトレイ(泡があふれたときのため)
  • 記録用のノートと鉛筆

トレイの上で行うと、片付けが楽になります。

手順

  1. コップを三つ並べ、同じ量の重曹を入れる
  2. 一つ目には少量のお酢、二つ目には中くらいの量、三つ目には多めの量を入れる
  3. 泡の出方を、目と耳で観察する
  4. 泡が止まるまでの様子を、ノートに書く

観察するポイント

  • 泡の量は、お酢の量と関係がありそうか
  • 泡が出る間、音はするか
  • 泡が止まったあと、コップの底には何が残っているか

観察したことは、絵でも言葉でもかまいません。大人が先に答えを言わず、「どうしてだと思う?」と聞くだけにしておくと、考える時間が生まれます。

条件を変えて比べる

次の回では、重曹の量を変える、お酢の温度を少し変える(熱湯は使わず、常温と少しぬるい程度にとどめます)、といった比較ができます。一度に変えるのは一つだけにするのが、比較のコツです。二つ以上を同時に変えると、どちらが原因か分からなくなります。

片付け

混ぜたあとの液体は、そのまま流しに流して水で洗い流せます。使ったコップはよく洗って、実験用の置き場に戻します。

子どもへの声のかけ方

実験の最中は、結論を急がずに、「いま何が見える?」「さっきと何が違う?」と、見えているものに目を向けるような問いを選びます。答えが合っているかどうかよりも、見たことを自分の言葉で表現することを、大切にします。

少し発展させる

慣れてきたら、風船を使う方法もあります。コップではなく小さなペットボトルに重曹とお酢を入れ、口に風船をかぶせると、泡と一緒に出てくる気体で風船がふくらみます。気体が出ていることが、目で分かる実験になります。このときも、ペットボトルを密閉せず、風船が弱いと感じたら止める、という約束を決めておきます。

ほかの組み合わせは試さない

家にある洗剤などを、むやみに混ぜるのは危険です。混ぜることで有害なものが出る組み合わせもあるため、実験に使うのは、大人が安全だと確認した組み合わせだけにします。

結果の考え方

泡の量は、お酢の量だけでなく、重曹の量や混ぜる速さにも左右されます。そのため、同じ条件で二回行って、結果が同じになるか確かめるのも、大切な観察です。毎回完全に同じ結果にならないことに気付くと、「測る」ということの難しさが、子どもにも伝わります。

家庭で気を付けること

重曹もお酢も、目に入ると刺激になることがあります。飛び散ったときは、すぐに水で洗い流してください。肌が弱い子どもは、手袋を使うと安心です。

振り返りの問い

  • 泡が出なくなったとき、コップの中はどうなっていたか
  • 量を変えたら、何が変わったか
  • 次は何を変えてみたいか

問いを一つか二つ選んで、親子で話すだけで、実験が思考の時間に変わります。結果がうまく出なかった回ほど、話すことが多くなるのは、とても面白い点です。

実験の前に話し合うこと

始める前に、「泡はどんなふうに出ると思う?」と、予想を聞いてみます。予想を言葉にしておくと、結果と見比べたときの発見が大きくなります。予想が当たっても外れても、どちらも面白いと伝えておくことで、間違えることへの抵抗感が小さくなります。

道具の代わりになるもの

専用の計量道具がなくても、台所にあるスプーンやカップで十分です。目盛りのついた計量カップがあると、量の比較がしやすくなります。同じ道具を使えば、量の違いが条件としてそろうので、比較も正確になります。

ふしぎ工作係 / about